真の意味で「良い人生を送る」とはどういうことでしょうか。それは年数で測られるものなのか、それともその年月を彩る瞬間の豊かさで測るものなのでしょうか。変わり続ける世界の中で、私たちの「長寿」の捉え方も変わるべき時代を迎えています。
日本の人々にとって「良い人生を送る」とは、単に病気をすることなく長く生きること以上の意味を持ちます。より良い人生を楽しむには、健康と経済の両面を大切に考えること。そのために必要とされる金融ソリューションへアクセスすることの重要性が高まっています。
「アジア・ケア・サーベイ 2025」は、こうしたテーマを掘り下げ、日本をはじめとしたアジアの人々が、長寿や幸福の意味をどのように再定義しているのかを探ります。また、人々の思いと行動の間にあるギャップにも着目し、望む生き方を実現するための解決策をご提案します。
国際連合は、2050年までに日本の平均寿命が88.4歳に達すると予測しています。これは2023年時点の平均寿命より3.7歳伸びています。
さらに2050年には、女性の平均寿命は91.4歳、男性は85.4歳に達すると見込まれ、アジア平均を女性は9.9歳、男性は8.3歳上回ります。
医療の進歩や生活環境の改善により、人々は年々長生きできるようになっています。
一方で、「アジア・ケア・サーベイ2025」によると日本では「長生きや寿命を最大限に延ばすことが第一の望み」と答えた人はわずか6%にとどまりました。
事実、寿命の延伸より人生の質を重視する人にとって、73歳が理想の寿命で、これは 平均寿命の79歳よりも6年短い結果となっています。
またこうした傾向は、特に若い世代で顕著で、25〜34歳の人は自分の平均寿命を74歳と予想しながら、望む寿命は65歳と回答しており、9歳の差があります。
<実際の声>
加齢に対する考え方が変わってきています。人々は寿命を延ばすだけでなく、より充実した意味のある人生を送りたいと考えるようになり、特に年を重ねるにつれて、人生の豊かさや目的、さらに、意欲的に生きられるかどうかを重視するようになっています。
調査の「なぜ長寿が最優先ではないのか」という問いに対する答えから、日本では高齢期においても身体的・精神的・経済的に健康であり、自立し、尊厳を持って年を重ねることが重視されていることがわかります。身体的・認知的な衰えへの懸念も、より生き生きと暮らしたいという願望を後押ししています。
<実際の声>
日本では、望む寿命を決める要素として、身体的健康、精神的健康、経済的健康の3つがほぼ同等に重視されており、その中でも身体的健康が最優先となっています。
健康寿命(健康な状態で過ごせる平均年数)と資産寿命(望む生活水準を支えられる経済的手段を有する期間)のバランスを取ることが、充実した人生には不可欠と考えられています。
<実際の声>
「アジア・ケア・サーベイ 2025」は、アジアの人々が年齢を重ねるにつれて、人生をどのように描くかについて大きな変化が起きていることを示しています。身体的・精神的・経済的な強さがこれまで以上に重要です。3つの柱を均等に整えることが、ウェルビーイング=高い生活の質を実現するための鍵になります。私たちはこの3つの柱のバランスがとれた状態を、新たな長寿の姿として再定義しました。
- 健康維持と資産形成のパートナーを探しましょう
長生きするだけでなく、豊かでバランスのとれた、深く充実した人生を送るにはどうしたらよいかを考えましょう。今回の調査では、一人ひとりが賢明な決断を下し、資産や健康を適切に管理し、最終的に新しい長寿の形を実現するために、包括的なソリューションを提供するパートナーと連携することが重要であることが明らかになりました。
- 今日から計画を始めましょう
生き生きと過ごすのと同時に、将来の計画を立てること。より長く、より健康に、より良い人生を楽しむために、健康寿命と資産寿命のどちらも優先して、自分が望む長寿の形を満たすように努めましょう。
「健康は富である」という考え方は、世界中で長い間受け入れられてきました。しかし、日本ではこの考えがさらに発展しています。人々は、自身の精神的な健康が、どれだけ経済的な安心感に大きく左右されるかということをますます意識するようになっています。
経済的な健康の重要性を認識しているにもかかわらず、すべての人が老後のための十分な資金準備ができているわけではありません。
実際、日本では回答者の29%はすでに深刻な経済的問題を抱えており、そのうち87%は老後を迎える前に問題が始まったと答えています。
また日本では、77%が「老後の資金が不足するだろう」と考えており、これはアジア地域平均の43%と比べて大きく上回り、調査対象9カ国の中で最も高い割合です。
<実際の声>
日本では依然として「現金がすべて」という意識が強くあります。今回の調査によると、現金、貯蓄、定期預金は総資産の72%を占めており(不動産を除くすべての貯蓄・投資を含む)、これはアジア地域平均の50%を大きく上回ります。残りは株式、投資信託、債券、年金保険などに分散されています。
老後に望む生活水準を維持または達成するための貯蓄と投資のバランスについては、36%が「より高いリターンを見込める投資へ移すべき」と考えている一方、32%が「リスクを避けるために現金や貯蓄、定期預金を多く持つべき」と回答しています。また、32%の人が「わからない/どうしたらいいかわからない」と答えています。
さらに、老後に望む生活を維持するために投資への資金配分を高めない理由としては、47%が「リスクが心配」、35%が「十分な知識がない」と答え、日本における金融リテラシー向上の余地がうかがえます。
<実際の声>
保険は、老後の安心感を提供してくれるでしょうか。日本では51%の人が「保険加入は老後を安心して過ごす助けになる」と回答しています。
<実際の声>
日本の人々 は、老後に備えて専門家に相談しているのでしょうか。
日本では現在ファイナンシャルプランナーを利用している人は約20%で、アジア地域平均の50%と比べて低い水準です。しかし、ファイナンシャルプランナーに相談している人は、相談していない人に比べて老後の資金面での安心感が高い傾向があります。
ファイナンシャルプランナーから助言を受けている人の42%が「老後資金が十分ある見込み」と回答し、そのようなサポートを受けていない人は18%に留まっています。
<実際の声>
「アジア・ケア・サーベイ 2025」は、特に老後において、経済的な健康と生活の質との間に明確な関連性があることを示しています。日本では多くの人が経済的な健康の重要性を認識しているものの、準備には依然として不足があり、高齢期に自立できるかどうかに不安を感じています。老後のより良い生活の質を実現するために、積極的なプラン設計と詳しい情報に基づく判断を行うことが重要です。
調査概要
「アジア・ケア・ サーベイ 2025」は2025年1〜2月に実施され、25歳以上(60歳以上を含む)の9,000人超から回答を得ました。対象地域は中国本土、香港、台湾、日本、シンガポール、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシアの9市場です。
免責事項:本サイトは、情報提供を目的とした英語版サイトに基づき、さらに日本で独自に実施した調査の結果を含めて作成されたものです。「実際の声」は、日本での調査によって得られたものです。
出典:
1 Harvard Health Publishing, June 2024.
2 Medical News Today, July 2025. Longevity: ; Verywell Health, January 2024.