老後のゆとりある生活のための資金準備を目的とした個人年金保険ですが、(公財)生命保険文化センターの「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、その世帯加入率は全生命保険会社*が24.3%、民間の生命保険会社(かんぽ生命を含む)が21.4%という結果が出ています。
*民間の生命保険会社(かんぽ生命を含む)、簡保、JA、こくみん共済coopの計
しかし、老後資金の準備として、個人年金保険に加入された方でも保険料の払込みが困難になったり、他に気になる保険があるなど、さまざまな理由から見直しが必要になるケースがあります。
では、個人年金保険の見直しはどの点に着目すればよいのでしょうか? ここでは注意点と見直し方法についてご紹介します。
老後の環境に変化がみられるとすれば、その一つとして挙げられるのは公的年金や社会保険など、社会保障制度の変化でしょう。
20歳を迎えると国民年金の加入義務があり(第2号被保険者は20歳未満でも強制加入)、60歳までの40年間保険料を納付し続けていれば、令和5年度では月額6万6,250円(満額)の国民年金(老齢基礎年金)が受給できます。受給開始年齢は、原則65歳です。しかし、納付期間が40年に達していない場合は受給額も減額されます。
厚生年金保険の適用を受ける会社に勤めれば、厚生年金保険に加入することになります。自営業の方は加入できませんが、厚生年金保険には加入年数と加入している間の平均年収によって金額が異なるという特徴があります。また、厚生年金も、原則65歳から受け取ることができます。
厚生労働省が発表した「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」には、厚生年金受給権者の平均年金月額は14万5,665円という結果があります。その一方、国民年金の平均年金月額は5万6,479円なので、厚生年金保険の受給額の方が多いことが分かります。
年金の支給開始年齢が引き上げられても生活ができるよう、もしくは少ない額でも個人年金保険と合わせてゆとりある生活を送るためには、現在加入している個人年金保険の見直しも欠かせない要素となります。
また、現在、無理して保険料を払い込んでいる場合は、現在の生活に負担とならない範囲で払い込み続けられるような保険料に見直すことも大切です。
現在加入中の保険を見直した結果、個人年金保険を解約することもあるでしょう。
個人年金保険を途中解約しても解約返戻金を受け取ることができる場合がありますが、払い込んできた保険料よりも少なくなってしまう場合があります。また、加入期間が短いと、解約返戻金はより少なくなります。
円建ての定額個人年金保険では、払い込んだ保険料が保険会社の一般勘定で運用され、契約時に将来の年金受取額が確定します。一方で、外貨建ての場合は、為替レートの変動などの影響で、損失が生じるリスクがあります。
一般的に定額個人年金保険の積立利率は、保険料払込期間を通じて固定されるので、積立利率が高い時に加入した方が良いといわれています。ただし、商品によっては、積立利率は実質的な利回りではないためご注意ください。
変動タイプの個人年金保険は、契約者が決める運用方法によって将来の年金額が変わってきます。運用方法によっては高い運用成果を期待できるでしょう。
ただし、運用実績が必ず良好という確証はありません。高い運用成果が期待できる分、大きな損失を招くリスクも持ち合わせています。
メリットとしては高い運用成果を期待できること以外に、お金の価値が下がるインフレに強いところでしょう。リスクがあることを理解し、運用成果を重視したい場合におすすめです。
準備しておきたい老後の生活費を踏まえ、自分がどの個人年金保険のタイプに適しているかをきちんと分析して、個人年金保険の見直しを行いましょう。
※記載内容については、2023年7月現在の内容であり、今後、お取り扱いが変更となる場合がありますのでご注意ください。
※このコラムの内容は各商品・制度の情報提供を目的としたものです。一般的な説明であり、特定の商品を説明・推奨・勧誘するものではありません。取扱会社などによって、お取り扱いが異なる場合がありますので、各資料などをご確認いただき、ご意向に沿ったものをご検討ください。
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