安定した老後を迎えたいと個人年金保険を利用する人が増えてきています。個人年金保険といっても多数あり、何を基準に選べばよいのか悩んでしまう方も多いでしょう。
大切なのは、自分に適した保険を選ぶことですが、具体的には年金の種類、年金受取り期間などを検討することが必要になります。
ここでは、個人年金保険の利点と注意点を基に、自分に適した保険の選び方についてご紹介していきます。
平準払い(契約時から保険料払込期間満了時まで一定額の保険料を払い込む方式)の場合、普通預金のようにいつでも引き落すことができるわけではないので、貯金が苦手な方でもこつこつ資金を備えることが可能です(加入後、払込みが完了する前に解約してしまうと元本割れのリスクが発生します)。一方、一時払い(契約時に保険料を一括して払い込む方式)の場合には、まとめて保険料を払い込む分、平準払いと比べて、保険料の総額が少なくなるという利点があります。
さらに、平準払いの個人年金保険の保険料は所定の条件を満たしていれば個人年金保険料控除の対象となるので、所得から一定額を控除することができます。会社員の方であれば、年末調整で還付金を受け取ることもできるでしょう。
個人年金保険に加入した場合、インフレ(またはデフレ)によって年金を受け取る時期のお金の価値が変動してしまう可能性があります。将来受け取れる年金額は個人年金保険に加入した時に確定するので、インフレが起こってしまうと、実質の年金額の価値は下がってしまいます。
また、万一加入した保険会社が破綻した場合は、老後に受け取る予定だった年金が減額されてしまう場合もあります。
すべての保険会社は保険業法に基づき、生命保険契約者保護機構に加入する必要があります。保険会社の破綻後に契約を引き継いでくれる会社などが現れない場合は、生命保険契約者保護機構自ら、もしくはその子会社にあたる保険会社が承継し、保険契約を保護してくれます。保険会社が破綻した時点の責任準備金等の90%まで補償されることになるので、年金がまったく受け取れないといったことにはなりません。(年金額の90%ではありません)
しかし、年金額が減額されてしまう可能性を考えると、これもリスクの1つといえるでしょう。
円建ての定額個人年金保険では、払い込んだ保険料が保険会社の一般勘定で運用され、契約時に将来の年金受取額が確定します(外貨建の場合は、為替リスクが生じます)。一般的に定額個人年金保険の積立利率は、保険料払込期間を通じて固定されるので、積立利率が高い時に加入した方が良いといわれています。ただし、商品によっては、積立利率は実質的な利回りではないためご注意ください。
年金の受取方法にはいくつかの種類があります。
確定年金は、生死に関係なく一定期間必ず年金受け取りができる方法です。また、有期年金では、生きている間の一定期間年金を受け取ることができ、被保険者が亡くなった場合はその時点で年金の支払いが終了します。
終身年金は、生きている限り年金の受け取りが可能で、夫婦年金は夫婦どちらかが生存していれば年金を受け取れる仕組みになっています。
年金の種類が決まったら、年金をいつからいつまで受け取るのかを検討します。
年金開始時期を60歳、年金受取期間を確定年金の10年にするなど、具体的に計画する必要があります。
個人年金保険の保険料払込方法としては、一般的には月払、半年払、年払、また、加入時に保険料を全額払い込むことができる一時払いの取扱いをしている保険会社もあります。一般的には月払よりも、半年払や年払などとすると、払込総額が少ない場合があります。月払以外の支払い方法も検討してみてはいかがでしょうか。
ここでは、個人年金保険の利点と注意点をふまえ、どのようなことをポイントに個人年金保険を選んだらよいのかご紹介しました。自身の老後生活でどの程度の資金が必要なのかを考えながら、いつからどのくらいの年金額を受け取る必要があるのか検討してみましょう。
個人年金保険の商品内容や特徴などを理解した上で、将来のライフプランに役立ててみてください。
※記載内容および税務上のお取り扱いについては、2023年7月現在の内容であり、今後、税制の変更などによりお取り扱いが変更となる場合がありますのでご注意ください。また、個別の税務などの詳細については税務署や税理士など、専門家にご確認ください。
※このコラムの内容は各商品・制度の情報提供を目的としたものです。一般的な説明であり、特定の商品を説明・推奨・勧誘するものではありません。取扱会社などによって、お取り扱いが異なる場合がありますので、各資料などをご確認いただき、ご意向に沿ったものをご検討ください。
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